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インターネットによる国民生活に関する意識調査
1.経緯
世論調査手法の改善の一環として,安価かつ手軽に実施できるインターネット調査(以下,
「ネット調査」という。)の活用可能性を模索するため,「国民生活に関する世論調査」(以下,
「訪問面接調査」という。)と同時期に同じ項目でネット調査を実施し,比較分析を行った1。
ネット調査 国民生活に関する世論調査
調査方法 WEB 画面上での個別記入法 調査員による訪問面接聴取法
調査対象 全国20 歳以上69 歳以下の
調査会社の登録者(モニタ)
3,600 人
全国20 歳以上の国民
10,000 人
抽出方法 モニタの中から無作為抽出 層化2段無作為抽出
調査時期 平成19 年7月20~23 日
(4日間)
平成19 年7月5~22 日
(18 日間)
有効回収数
【率】
1,648 人
(回収数に1,500 人を設定)
6,086 人
【60.9%】
2.結果
(1) 単純比較
ほとんどの項目で両者間に大きな差異が見られる(別表12)。この要因としては,
① ネット調査の対象者が事前に登録されたモニタから抽出されていること,
② ネット調査の対象者がインターネット利用者かつ70 歳未満に限定されていること,
③ ネット調査の質問画面には「どちらともいえない」「わからない」などが当初から表示
されていること,
などが影響していると考えられる。
(2) インターネット利用頻度別比較
訪問面接調査の結果をインターネット利用の頻度別に分割し,ネット調査の結果とともに
各々の性・年齢構成が20~69 歳における実際の人口構成比率に等しくなるよう補正した上で,
比較した(別表22)。結果をみると,インターネット利用の頻度の違いにより回答結果に大
きな差異が生じている項目は多いことがわかる。また,ネット調査の結果と世論調査のイン
ターネット利用者の結果との差異が小さい項目も多く見られる。
なお,各項目の回答傾向を下図に従い分類を試みたところ,概ね次のような項目が当ては
まった。
インターネット利用頻度による違い小
① ②
調査手法による違い小
③ ④
調査手法による違い大
インターネット利用頻度による違い大
① 日常生活での悩みや不安,時間のゆとりの有無,充実感を感じる時「家族団らんの時」・
「友人や知人と会合,雑談している時」など。
② 今後の生活の力点「資産・貯蓄」・「所得・収入」など。
③ 充実感を感じる時「趣味やスポーツに熱中している時」・「勉強や教養などに身を入れて
いる時」,自由時間の過ごし方「旅行に行く」など。
④ 去年と比べた生活の向上感,現在の生活に対する満足度,現在の生活の充実感 など。
3.考察
従来から指摘されているとおり,現時点で訪問面接調査である世論調査が全てネット調査に
置き換えられる可能性はほぼない。ただし,上記①に分類された“悩みや不安”,“時間のゆと
り”などの項目については,ネット調査の結果から世論調査の結果を推測できる可能性は高い。
また,インターネット普及率が向上すれば,③の“趣味”,“教養”などに関する項目について
も,ネット調査の結果が適用できるようになる可能性がある。一方,モニタの選定方法などを
始めとした調査手法を改善していくことにより,②の“資産”,“所得”などの項目についても
同様に,ネット調査の結果が適用できるようになる可能性がある。
次回の調査においては,質問画面の改良など現時点で考えられる改善を行い,今回の考察結
果の検証を行うことが考えられる。
連